令和元年~三種の神器の課税関係~
みなさん、こんにちは。
今日も一を足してく!
さて、昨日平成最後のブログ更新をしようと思いつつできなかったので、本日は令和最初のブログ更新といきます。
いや~、新元号、
「令和」
になりましたね!
本日5月1日に天皇陛下が即位されました。
今後は天皇陛下は「剣璽等承継の儀」と「即位後朝見の儀」に臨まれます。
この「剣璽等承継の儀」では、かの有名な三種の神器のうち、剣(=草薙剣(くさなぎのつるぎ))と璽(=八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま))が皇位とともに皇嗣が承継されます。
この記事では税金についてフォーカスしてこの三種に神器の課税関係を見ていきます!
平成から令和への改元という一大イベントを税金という観点からみているのはごく少数ではないでしょうか?(笑)
三種の神器の課税関係の原則
天皇が崩じると、三種の神器も相続又は遺贈という形で継承されるはずです。
この場合にも、相続又は遺贈により財産を取得したことになるので、相続税が課されます。
しかし、社会的な観点からもこのようなありがたい儀式に相続税が課されるとなると、興ざめですよね…
おそらく、このような趣旨から、実は相続税法においても非課税規定が設けられています。
次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
この「皇位に伴う由緒ある物」とは、もちろん「三種の神器」のことです。
したがって、相続税が課される「三種の神器」については、相続税の課税価格に算入されず、相続税が課されないわけです。
では、今回のように天皇が生前退位され、相続又は遺贈ではなく贈与により「三種の神器」が承継される場合にはどうなるのでしょうか。
贈与により取得した場合には相続税ではなく、贈与税が課されます。
「相続税の非課税財産」の規定と同じように「贈与税の非課税財産」の規定にも同じように「三種の神器」を非課税とする規定があると思いますよね?
それでは、その「贈与税の非課税財産」の規定を見てみましょう。
次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
- 一 法人からの贈与により取得した財産
- 二 扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの
- 三 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが贈与により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの
六 公職選挙法(昭和25年法律第100号)の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で同法第189条(選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がなされたもの
なんと、この「贈与税の非課税財産」の規定には「三種の神器」を非課税とする規定は書いてありません!
果たして、今回の場合だと贈与税が課されてしまうのでしょうか!?
生前退位の場合の特例
この記事を見ながら「天皇が贈与税を納めないといけないの?」、「三種の神器っていくらになるんだろう?贈与税も高そう…」と思われた方ご安心ください。
結論から言うと、贈与税は課されません!
相続税法をいくらさがしても根拠となる規定はありません。
根拠は平成31年4月30日に施行された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」という法律に規定されています。
おわりに
私が相続税の勉強をしているときに驚いたのは、「相続税の非課税財産」の規定に、「三種の神器」が書かれていたことです。
これを裏を返すと天皇にも原則的には相続税が課税されるという事。
そんな衝撃を天皇陛下の儀式とともに思い出したので、記事として書いてみました!
平成最後の税理士試験に合格し、おそらく令和最初の税理士登録をする私にとっては、新しい時代の幕開けを嬉しく思います。
この新しい時代になにか新しいことに挑戦できるようにがんばっていきます!
それでは、読んでいただきありがとうございました!
GW後半戦楽しみましょう!